発達障害と自動車運転について

 先日,発達障害の親御さんから免許取得について相談がありました。近年,高齢者の自動車事故の増加に伴い,来年には新たに道路交通法が改正され,より一層高齢者の免許更新は厳しいものになってきています。

 発達障害のある方への対応はどうかというと専門の指導を行う自動車学校(つばさプラン)もありますが,まだまだ課題や対策は未整備です。自動車運転免許を取得すれば,行動範囲が広がるなどメリットも大きいいです。しかし障害特性による注意障害(注意の狭小化),マルチタスクが苦手,こだわり,見通しの甘さなど運転への影響も否めません。

 免許取得には否定的ではありませんが,自動車運転にゼロリスクは存在しません。運転ができることの利得と事故を起こしたときの不利益とのバランスを考えて,必要に応じての免許取得や免許所持者は運転調整行動の獲得を考えていく必要があるかと思います。 

参考文献:水野友美,発達障害傾向のあるドライバーの運転特性の解明,2019年度タカタ財団助成研究論文,2019